北京大学現代日本研究センター博士の研修受入を実施しました(5/19)

5月19日に国際交流基金から北京大学現代日本研究センター博士第11期生の研修受け入れを行いました。
受入を行った学生は大学でもさまざまな分野の専攻をしている学生の方々でした。
研修は、いつもと違ってあおぞら薬局の2階会議室をお借りして行われました。

今回の研修では博士課程の学生が17名、随行幹部の方が4名、国際交流基金の随行の方が4名で合計25名の大人数の研修となりました。
あおぞら薬局の会議室は満員の状態で研修が始まりました。

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あおぞら薬局の会議室での研修です。

 

まずあおぞら財団の林さんから、「日本の大気汚染公害の歴史、西淀川公害と地域再生について」お話がありました。
西淀川公害の説明を行っている時に、スクリーンに映った昔の煙のひどい大阪の上空の写真には学生の皆さんは食い入るように画面を見つめていました。その画像を流しながら、林さんが「今の中国と同じようでしょう?」と言うと、学生の方からは納得したような表情を浮かべている方がいました。また、現在の中国とよく似ている状況の画像に写真を撮っている方も目立ちました。

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林さんによる西淀川についての説明です。

 

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昔の大阪の工場の写真に参加者はかじりつくように見ています。

 

 

続いて、現在西淀病院 副院長でもあり、西淀川公害裁判での医師でもある穐久英明さんから「公害発生した時に医療関係者が果たした役割」についてお話をしてもらいました。

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西淀病院副院長の穐久英明さん(画像真中)

大気汚染からなる病気についての説明や、ばい煙・ばいじんといった大気汚染物質についての説明も行われました。また、工場だけではなく車からの排気ガスも病気の原因となったことをどのように突き止めたかといった、専門的な話となりました。
医師団が喘息患者のサマーキャンプを行っていたり、集会でも医療班として参加してきたといった当時の話も聞けました。また、裁判の際には有名な呼吸器の医師が国側の証人となり、「ニセ患者だ!」と言われていた話など医療関係者だからこそのお話もありました。

質疑応答になると参加者からは多くの質問が飛びかいました。
・国や企業相手に裁判を行い、報復などはなかったのか?
→特に報復などはなかった。有名な医師相手に弁論を行ったが、医師会の中でも特にはなかった。
・患者さんへ行われているサポートは無償で行われているのか?
→病院で行われている診察は有料だが、医療班として集会についていったりする時は自分たちで負担をしていた。
・裁判の際、相手の証人は有名な呼吸器の医師だったが、何故勝てたのか?
→どのようにして裁判官に分かってもらうか。また、世論を自分たちの方へと流れが引き寄せられるか。だが、それ以上にやはり患者さんを自分たちが診ていたからこそ証明が出来、勝てたのではないかと思う。

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大気汚染物質についての説明が行われています。

 

公害患者の語り部さんには西淀川公害患者と家族の会会長の森脇君雄さんに来ていただきました。

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西淀川公害患者と家族の会会長の森脇君雄さん。

森脇さんはぜん息の苦しさを水の張ったバケツに無理矢理顔を突っ込んだ状態と表現した上で、当時の様子を話してくれました。また、森脇さんからの言葉で「患者の救済と公害をなくすこと、転地療養が仕事だった。」との言葉がとても印象的でした。また、全国の公害患者が集まって官庁交渉を行う全国公害被害者総行動 についての話もしてもらいました。お金のない中、重症な患者さんが前面で闘い続けている姿を見ていたからこそ長く続いた裁判を闘えたのだと森脇さんが言っていました。被害にあった人が声を上げないと裁判にはならないという言葉を参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

森脇さんとの質疑応答はとても多く、その中の一部はこういって質問が出ました。

・中国では1992年に環境に関する法律が出来たが、日本は被害者に立証責任があるが、中国では加害者側である企業に立証責任がある。そのため、被害者が訴えたり、代理の方が訴えたりする。西淀川の場合も代理の方が良かったのではないだろうか?
→私は代理人が訴えるべきだとは思わない。弁護士は忙しいし、自分が納得できるようにするべきだと思ったので代理人を立てようとは思わなかった。また、企業側に立証責任がある場合、企業側の立証が真面目に行われているとは信じられない。だが、環境健が進んでいるのはすごいと思う。訴えられない人(物)の代わりに訴えられるというのは良いことだと思う。
・今のあおぞら財団での和解金の運用はどうなっているのか?
→助成金や国との委託事業などで運営を行っている。その中で、足りない部分がある場合は和解金の一部を利用している。

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当時の話を参加者の方々に話をしています。
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参加者からは森脇さんへいろいろな質問がありました。

 

質疑応答が終わると、バスで尼崎や西淀川の工場や町の中の様子を見学しました。
今回は時間の関係でバスの中からの見学となってしまいましたが、淀川の河川敷では一度降りました。そこで昔の淀川や大阪の写真と、今の様子を見比べてみたりしました。また、淀川の写真を撮っている姿も目立ちました。

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淀川河川敷に参加者みんなで降りています。
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林さん(真ん中)が持っているのは昔の風景写真です。見比べたくなりますね。

 

その後、あおぞら財団に戻ると最後の質疑応答の時間を取りました。
・何故1988年から公害患者の認定が出来なくなったのか?
→1988年から新規で公害患者の認定は受け付けられなくなったが、訴訟は出来る。公害患者の認定が受け付けられなくなった理由には、経団連からの圧力などがあった。
・1988年からは公害患者の認定はされたのか?
→公害患者の認定がされていないので、未認定についての裁判が行われている。
・今現在、あおぞら財団で環境問題を取り扱っているが専門的にやっている方はいるのか?
→専門でやっている職員がいる。職員の専門自体は多種多様だが、それぞれが関わっている人や、他のNPOや団体と活動を行っている。
・裁判の過程で、何が一番難しかったのか?
→煙がどのように西淀川に到達するのか証明をするのが難しかった。西淀川にある企業だけではなく、大阪府内の工場企業を相手にしていたために風向きや気候の変動について証明するのがとても大変だった。
・現在の課題について、何かあるか?
→地域の再生というとてもむずかしい課題をあおぞら財団に任せてしまったことは悪かったなと思っている。また、公害患者は新たに認定をされておらず、今認定されている公害患者が高齢化して減っていることで運動を続けていくのが大変難しくなっている。

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あおぞら財団に戻って再度、質疑応答の時間になっています。
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質問は途切れず、時間いっぱいおこなわれました。

 

最後に、あおぞら財団の事務局長の藤江徹さんからは、「3月に北京に行った時に昔の西淀川のようだと思った。空はつながっているので一緒に大気をきれいにしていくために頑張って行きたい。」と参加者の皆さんに話をされていました。

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あおぞら財団の事務局長、藤江徹さんから参加者のみなさんへの一言です。

今回の参加者の皆さんはとても真剣な様子で質疑応答も時間いっぱいまで行われ、質問したりない人が最後に森脇さんに個別で質問をしていたりと、とても有意義な時間だったと思います。聞いたことや感じたことが少しでも中国に帰って共有をしてくれたらいいなと思いました。
また、中国の大気汚染も空はつながっていて、決して中国だけの問題ではなく私たちも何か考えていけたらいいなと思いました。

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淀川河川敷で、参加者のみなさん、森脇さん、あおぞら財団のスタッフで一枚。良い天気でした。

 

(松ヶ平)

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淀協の新人研修受入を実施しました(4/5)

4月5日(火)に淀川勤労者厚生協会の新人研修を行いました。
淀川勤労厚生協会とは西淀病院やのざと診療所、千北診療所やあおぞら薬局など西淀川の医療機関であり、今年度から各医療機関で働く方々の研修です。
今年は20名の方と、2時間半でしたが西淀川と西淀川公害についての研修が行われました。

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のざと診療所の会議室にて。

のざと診療所でみなさんを前に、あおぞら財団の林さんがまず西淀川についての説明がありました。西淀川出身ではない方も多く、西淀川の場所の説明やどんな地域かと言った話でした。クジラの形に見えるという話には、みなさん配布資料の地図を見ながらとても納得をしている様子が見られました。
また西淀川公害や大気汚染公害裁判の話から、西淀川にはぜん息などの公害患者さんがまだまだ多いと話がされました。研修を受けているみなさんは今後いろいろな所に配属をされるため、熱心な様子で話を聞き入っていました。

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林さんが西淀川のイメージについて聞いています。

軽く西淀川と西淀川公害、またあおぞら財団の説明が行われたのち西淀川公害患者と家族の会会長の森脇君雄さんからお話がありました。
森脇さんからは自身の公害被害の苦しさの話だけではなく、どのように淀協と一緒になって公害患者さんを認定したり、法律を作っていったかなどの話をしてもらいました。当時の話も多かったですが、西淀川公害や公害裁判の難しさなどの話を沢山してもらいました。参加者の皆さんは真剣な表情を浮かべて森脇さんの話を聞いていました。
質疑応答の時には、元々薬剤師をしていた方から質問がありました。
Q:以前尼崎で薬剤師として働いていた時によく公害患者さんが居た。本当にとても症状が重い方が多かった。新しい治療法ができ、それを進めるもなかなか利用をしてくれなかった。治療法を変えようとしていなかったのはなぜだと思うか。
A:薬の量を増やしたくない、減らしたいという気持ちはやはりある。また、違う治療を行っていたりすると他の薬も飲む必要があり、変えたいと思っても変えたいとなかなか言えない部分がある。

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西淀川公害患者と家族の会会長、森脇君雄さん。
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森脇さんの熱弁にみなさん聞き入っています。

その後は、軽くフィールドワークで外へと行きました。
大野川緑陰道路へと行くと、大野川の昔の写真を取り出し、参加者のみなさんに見せると「家の中のものが全部出ているみたい」「家具まで流れている」と言った驚いた様子を浮かべていました。また、大野川緑陰道路自体も初めて来た方も多く、自転車専用レーンや歩行者専用の部分を眺めている姿も目立ちました。あおぞら財団の林さんが当時の写真を持って説明をしていると散歩中の方も近寄ってきて興味深そうに眺めている姿もありました。

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大野川緑陰道路にて昔の写真と見比べています。
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フィールドワークも和やかな雰囲気で進みました。

大野川緑陰道路から歌島橋交差点へと行くと、PM2.5の環境基準が平均より上か下かとクイズを行いました。流石に5差路を目の前にすると基準値よりも高いという判断でした。ですが、「基準値より高い理由は中国から飛んできたから高いわけじゃない。国内からも多く排出している。」と説明があるととても驚いているようでした。どうしても中国から飛んできているものばかりだと思いがちのようです。

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歌島橋交差点の五差路にて、空気を監視する装置を探し中。

のざと診療所に戻るとグループでの感想共有を行いました。
今日の研修で感じたこと、今日の研修のことを今後にどう生かすかと言ったことをA4用紙に書くと、班の中で共有をしました。

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A4の紙にしっかりと感想を書いている参加者の皆さん。
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グループ内での共有を行います。

最後に班ごとに代表の方が発表を行い、全員で今日の感想の共有をしました。
<感じたこと>
・西淀川公害がどんなものだったのか初めて知った。
・西淀川と言う地域が一体どういった地域なのか知った。
・西淀川と言う地域は、昔公害にあった患者の方々を含めた多くの方の努力があったのだと知った。
<今後の仕事にどう生かすか>
・公害患者さんと会う時には、公害を受けた背景を考えたり、知っていく必要性がある。
・公害患者さんと接する時にはアドバイスをしたり、患者さんのことをしっかりと知っていきたい。
・患者さんと寄り添っていきたい。

今年も天気が良い中、桜を見ながらのフィールドワークや研修となりました。
全く西淀川について詳しくない人や、西淀川出身の人もいましたが少しでも西淀川のことを知っていただけて良かったと思います。研修で感じたことや考えたことを胸に、今後西淀川で頑張ってくださることを期待しています。

(松ヶ平)

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「西淀川公害から学ぶってなにを?」を開催しました。2日目(3/28)

1日目の様子はこちら
2日目は山岸公夫さん(元神戸製鉄所 法務部長 あおぞら財団理事)からのお話がありました。

当時の様子を語られる山岸さん。
当時の様子を語られる山岸さん。

山岸さんは企業の法務組織の変遷(成長)と法務組織の役割などの説明からお話を始め、大気汚染への寄与企業が足並みを揃えることの難しさや、攻める側の大変さと守る側の心外さ、それぞれの立場があったことを説明してくださいました。
山岸さんは西淀川裁判の和解成功の鍵は被害者を組織化したこと、単なる賠償金獲得でなく地域再生のために「青空を取り戻し次代に渡す」というスローガンを掲げたことだったと説明されました。またあおぞら財団の使命は「和解の精神を風化させないこと」だとも仰っていました。

みなさん真剣に聞いています。
みなさん真剣に聞いています。

【山岸さんに対する質問】
Q:訴訟担当者で身内に公害患者のいた人はいたのか?そういう人は意図的に外されたのか?
A:訴訟担当者を選ぶ立場ではなかったがそういった話は聞いたことがなかった。

この後、福島大学の皆さんからの報告、質疑応答が行われました。皆さんには、震災で経験したことと、2日間の研修で感じたことを話していただきました。この時西淀川公害患者と家族の会の森脇君雄さんも来られました。

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森脇さんに来ていただきました。

同じ福島県といっても福島は広く、学生の皆さんは住んでいた場所もそれぞれ違うため、避難された地域の方、被災者を受け入れた地域の方の立場で、様々な視点から震災の経験等を語ってくださいました。

【震災体験について】
・震災当初の情報の錯綜について。
・食糧不足に悩まされた。買い出しにも時間がかかる状態だった。
・放射能の影響を考慮し、体育の授業は室内で行われ、プールの授業もなかった。
・除染率100%の広報が回ってきたが、この100%とは除染申請をした家のみ除染が終わったということだった。
・他の地区の学生を受け入れ、同じ学校で授業を受けるようになった。部活を通して、他地区の学生とかけがえのない仲間になれた。避難者と避難者を受け入れた側の地域間対立がしばしば取り上げられるが、仲良くやっていけた人もたくさんいる。
・今現在はライフラインの復活により生活は戻ったが、放射能の影響が怖い、これからも影響が残るのではないかとの不安を感じる。

【2日間の研修をふまえて】
・福島では裁判を起こすという考えの人は少ないように思える。避難している人も多いのでバラバラになってしまっている。しかし組織として活動する必要がある。
・岡崎さんと自分のふるさとへの思いの違いを感じた。個人的には復興は進んでいると考えていたし、自分達の生活を立て直すことに精一杯だった。岡崎さんは怒りのモチベーションを保ってこられたのがすごいと思うし考えさせられた。しかし組織化して問題を解決しようとする運動が少ない。一方怒っても何もならないから前向きになることが大切、という意見も。
・西淀川の公害問題は関心を持ち続けることで対策がとられた。福島も関心を持ち続けることで何らかの対策がとれるのではないか。
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皆さんがそれぞれの体験や学んだことを語る真摯な姿に心をうたれました。

最後に「福島第一原発事故の教訓を伝える施設の整備に関する取り組みの事例」について後藤忍先生が話をされました。福島第一原発事故に関連し、公立・民間含めその教訓を伝える施設が作られているそうですが、国・市が盛り込めていない部分の教訓というものをいかにして伝えていくかということをこれからの課題として説明されました。

教訓を伝えることの課題について説明される先生。
教訓を伝えることの課題について説明される先生。

【福島大学の方への質疑応答】
Q:浜通り・中通り・会津で団結して一緒に組織を作ることはできないのか。
A:3つの国は別々でまとまれない。汚染度や状況、賠償額に違いがあり団結は困難。

Q:総合対策としてこれからどのようなまちづくりをするのか?そのビジョンは?
A:今のところはそれを描くのは困難。見えない対立もある。

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アドバイスされる森脇さん。

この時、森脇さんは西淀川を例に挙げながら、確実な補償法整備の重要性と問題の認識、勉強、行動を起こすこと、人と仲良くなることが大事であるとアドバイスをされました。

2日目の最後にはワークショップを行いました。最初は質疑応答です。

【ワークショップでの質疑応答】
Q:現在の淀川と西淀川の関わりはどのくらいあるのか?
A:公害による淀川のイメージが良くない。堤防も高く日常で水辺に関わる場面は少ない。
漁協もそのことでイメージ転換を図りたいとのことだった。
Q:あおぞら財団ができた時の周囲の反応は?
A:地域の中では公害のことは言わないでほしいという意見もあった。しかし今は、財団があってくれてよかったとの意見をもらうことも増えてきた。色々な立場の人々を繋いできた結果と思う。

Q:①震災の直接の体験者でない我々にどうしてほしいか、どうなってほしいか?②また、震災から5年で人々の記憶の変化は?
A:①福島に実際に来て欲しい。そして今の生活を知ってほしい。福島では毎日原発関連のニュースが流れるが、他ではそうではない。情報量が被災地とその他の地域では違う。
②震災の記憶については、忘れることはない。しかし話をする機会というのは少なくなっている。例えば放射能の影響の可能性を考慮し、プールで授業ができない等、子供達の行事の制限があった。小学校当時に被災した人たちの中には泳げない子もいる。しかしなぜ泳げないか、という事は忘れられていくだろう。

【ワークショップ発表】ポストイットに2日間を通しての疑問や議論したいテーマを書き、質疑応答後、3つのテーマでグループ分けを行い、議論を行いました。

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熱心に議論されています。

 

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1つ目のグループのテーマの写真

〈グループ発表〉
・西淀川と福島のちがいの根本にあるものは、再生と復興の違いだと感じた。復興が具体的に何を目指したらよいかわからない。
・西淀川は高度経済成長期の日本の発展のため、福島は原発=クリーンのイメージ、町おこしになると考えられており、結果的に公害や被害につながることになった。
・リスクマネジメントが大事。疑問を持ったら徹底的に追求すること。西淀川はこれを行ったため良くなったと感じる。福島では関心を持つこと、疑うことが現在十分でないと感じる。
・上記の問題を解決していくための具体的方法として、体験型学習が大事だと感じた。

1つ目のグループの発表の様子。
1つ目のグループの発表の様子。
2つ目のグループのテーマの写真
2つ目のグループのテーマの写真

〈グループ発表〉
・公立の資料館でも展示すべき情報が展示されていないなどの課題がある。
・福島では、放射能に関して理科の授業で取り入れられているが、授業以外でも伝える方法を考えなければならない。
・教訓をどう生かしていくか。加害者、被害者の認識の違い。これにより語られることも違ってくる。また被害者の中には忘れたい人もいる。教訓を語り継いでいくために被害者の組織化が必要。その方法を考えることが課題だと思う。

2つ目のグループの発表の様子。
2つ目のグループの発表の様子。
3つ目のグループのテーマの写真
3つ目のグループのテーマの写真

〈グループ発表〉
当事者の中でも生活面や精神面で様々な事情を抱え、問題に向き合えない人達がいる。心の「シャッターを閉めるように」。“自分には何もできない”と思う気持ちもあるのではないだろうか。こういった人達には森脇さんのような人の話を聞いてもらうことで自分にも何か出来ることが分かり、変わるきっかけになるのではないか。

3つ目のグループの発表の様子。
3つ目のグループの発表の様子。

【参加者からの感想】
最後にアンケートの『あなたにとって「公害から学ぶ」とは、どういうことでしょう?』という項目に関して皆さんの考えをいくつかピックアップします。

・目の前にいる人が抱える問題や、目の前にある問題にどう向きあうかを考える時に文脈や時代の違いを踏まえつつ、自分がどう考え、行動したらよいか何ができるかを考えること。学習のための学習ではなくて、リアルな自分の生き方を考えるということ。
・自分ができることを考え、『実行すること』だと思います。公害が起きた地域の当事者なら何も考えていないことはないと思います。しかし、そのために何かをしようとしている人は少ないと思います。「知る・考える・実行する」の3点があってこそ「公害から学ぶ」の価値があると考えます。
・二度と被害者を出さないための真摯な自省(自分事としての反省)。
・「公害から学ぶ」ならば、公害のあった地域の今までのこと、その地域で暮らした(ている)人のくらしや生き方から学ぶことのように思います。
公害から何を学ぶのか、ならば技術や対策ということから運動論、法律、病状、教育、人権、等々、生き方の問題含め、何の為に学び、どう生かしたいのかでちがいように思います。その時々で、教材としての公害はちがう顔をもつのだと思いますが、語り部の方やここにある地域の現実の持つ力学習者の生き方を問われるものだと思います。

私は3月からスタッフになったため、初めて研修のお手伝いをしました。その後、2日間の取り組みが終了となりました。語り部の方のお話や被告企業側であった方のお話を直接聞く貴重な機会をいただきました。環境問題に対する知識はまだまだ浅い自分ですが、経験されてきた方のお話や、前向きな姿勢に多くのことを学ぶことができました。特に印象的だったのは西淀川裁判における患者会の団結のすごさと粘り強さです。多くの企業を相手に皆で学習し、協力しあい、裁判が終わった後も地域や次世代のためにより良い環境づくりをしていこうという未来を見据えた姿に感動しました。
また福島大学から来られた学生の方々が、ご自身の震災の経験を語って下さり、TVなどで知る情報とは違う生の声に、震災や公害の問題は終着点を見つけることが非常に難しく、未来へと繋がっていく問題であることを実感しました。再発を防止するため、過去から何を学び、教訓を未来へ語り継いでいくにはどうしたらよいのかと改めて考えるきっかけを与えていただきました。
これから自分に何ができるかを勉強しながら考えていきたいと思います。(村山)

一日目の様子はこちら

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「西淀川公害を伝えるってなにを?」を開催しました。1日目(3/27)

3月27日~28日に、「西淀川公害から学ぶってなにを?」をあおぞら財団で開催しました。福島大学、龍谷大学、よつ葉ホームデリバリー大阪などの方達が参加されました。2日間全体で21名の方が参加されました。(地球環境基金事業)
二日目の様子はこちら

今回2日間のテーマは「今を生きる者として、公害から何を学ぶか」ということでした。
1日目の初めは、あおぞら財団の林さんからクイズ形式を交えての西淀川公害や、その他の公害、あおぞら財団についての説明が行われました。

公害に関するクイズ。
公害に関するクイズ。

全問正解はなかなか難しい様子。

1960年代の西淀川の空のスライドが映された時、皆さんは現在の空の様子との違いに驚きを感じていたようです。
あおぞら財団の役割はステークホルダーをつなぐことであるということ、地元の理解が大事であるという説明もされました。

全問正解はなかなか難しい様子。
全問正解はなかなか難しい様子。

次に公害患者さんの岡崎久女さんにお話をしていただきました。

たすきをかけてお話される岡崎さん。
たすきをかけてお話される岡崎さん。

岡崎さんにとってこのたすきは制服であると仰っていました。語り部をする時だけではなく様々な交渉の場でもかけて行かれるそうです。岡崎さんは西淀川に嫁いで来られ、公害病の患者認定を受けられた方です。
とつぜん始まった喘息の辛い症状や、病気から起こった様々な辛い体験を乗り越え、前向きに生きるようになったと言い、「好きでなった病気じゃない」「なぜ」という思いや、息子にとっては西淀川がふるさとであるという思いを受け原告になったとお話ししてくださいました。運動を通じて全国の人達にも会いにいった経験などをお話されました。いろんな人に支えられている、いろんなところで語り部をしているが皆熱心に聞いてくれている、自分が支えられていると語っておられました。

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岡崎さんのお話に聞き入っている皆さん。

 

【質疑応答】
Q:水俣でも患者認定の有無や対面など地域対立(分断)が起こったが西淀川の場合はどうだったか?
A:初めは公害であるという事自体がわからなかったし、今も人によっては公害患者であることを隠している人もいる。喘息の発作が昼間にわかりにくいため、近所の人々には病気の苦しみがわからない。夜に救急車を呼ぶことも憚られ、タクシーで通院するなどの周囲への配慮を行っていた。
※この質問に関しては林さんが「大気汚染では患者会という組織を作り、自分達の意見を積極的に主張して制度をつくった点が水俣とは違った状態であった」と補足説明をされていました。

Q:「たすきが制服」と仰ったが、この制服とは学校の制服のイメージなのか?
A:ジャケットのような感覚。これをつけると話しやすくなる。

Q:(福島の状況と比較しながら)公害認定がなされない段階で、加害側の企業が、自社の責任ではない、気のせいであるなど、公害が大した問題ではないと思わせる言説を流すようなことはなかったのか?(福島では実際にあった)
A:患者間で勉強会を重ねており、患者会の団結力でも乗り越えてきたためその問題に関する悩みは少なかった。
この他多くの質問が皆さんから出されました。

福島大学から来られている方がいたので、岡崎さんは原発の件にも触れ、原発事故の怒りを忘れてはならないこと、声をあげ、協力することの重要性を強調されました。

昼からは西淀川のフィールドワークを行いました。
バスで西淀川や尼崎の工業地帯の見学を行いました。この日は日曜だったため、交通量がいつもより少なかったです。
43号線からフィールドワークが始まります。
まず、43号線沿道ではどのような対策がとられているか林さんから説明がありました。

道路の対策についての説明をしている林さん。
道路の対策についての説明をしている林さん。
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光触媒について。
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「空気を監視する装置はどこにある?」

 

空気を監視する装置の内の1つ。
空気を監視する装置の内の1つ。
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中央分離帯部に設置されたピュア・プランター

 

こういった対策も大事だが、そもそもの交通量を減らしていくことはできないかという根本的な課題についても林さんは触れられました。

再度バスに乗り、尼崎や西淀川の工業地帯を見学します。川の水面と地上の高さに注目して地盤沈下の様子を観察しました。
車内から、湾岸線が見えます。大気汚染を減らすため阪神高速5号湾岸線側への迂回を促す取り組みがなされていると説明がありました。

淀川につきました。説明を聞き、淀川浸水想定区域図を見て、西淀川が直面しうる水害の切実さを感じました。現在の淀川ではウナギ・シジミがとれます。

淀川堤防沿いにて林さんによる説明。
淀川堤防沿いにて林さんによる説明。
川の土手で遊ぶ皆さん。とても楽しそうです。
川の土手で遊ぶ皆さん。とても楽しそうです。
クラゲもいました。
クラゲもいました。

再び43号線、淀川通りを通ります。ここからは徒歩であおぞら苑に向かいます。日曜日だったため、施設内の見学は行いませんでしたが、デイサービスセンターあおぞら苑の説明を受けました。
あおぞら苑は西淀川裁判の和解金の一部を拠出してつくられたデイサービスセンターです。高齢になった公害患者の方の日々の生活を援助するために、また地域の人々が誰でも利用でき、「西淀川に住み続けて良かった。」と思えるようにとのことで設立されました。

あおぞら苑にて。
あおぞら苑にて。
桜が咲き始めていました。
桜が咲き始めていました。
千北診療所にも立ち寄り、説明を受けました。
千北診療所にも立ち寄り、説明を受けました。

千北診療所は、かつては西淀川医師会と公害検査センターがあり、患者会の事務局もあった場所です。今も公害患者の治療にあたっています。

淀川通りを通って大野川緑陰道路へ向かいます。

かつて緑陰道路が川だった頃の写真を掲げて説明する林さん。
かつて緑陰道路が川だった頃の写真を掲げて説明する林さん。

フィールドワークを終え、あおぞら財団に戻ると4班に分かれてきょうのふりかえり(ワークショップ)を行いました。

ワークショップの説明。
ワークショップの説明。
1日目のまとめ。栗本さんがまとめてくださいました。
1日目のまとめ。栗本さんがまとめてくださいました。
ワークショップ中
ワークショップ中
悩みながら皆さんで意見を交わし合っています。
悩みながら皆さんで意見を交わし合っています。

【ワークショップの中で出た意見】
・西淀川が公害の町だと聞いていたため、実際に来てみて想像以上に綺麗だったことに驚いた。
・町歩きからいろんなことを学べた。
・福島と西淀川の問題に対して同じような対策は効果的かどうか。
・公害の経験があるのに経済成長ばかり重視…公害について深く考える人はどれほどいるのか。
・文理融合、トータルに考えることが大事。
・ステークホルダーの重要さを認識した。
・岡崎さんの、福島の人達は「もっと怒らな」ければならないという発言に考えさせられた。
・モスクが見学できたことが印象的だった。西淀川ではいろんな国籍の人々が生活していることもわかった。

【この時の質疑応答】
Q:工場労働者の中にも患者となった人はいた?
A:いる。被害者として原告になった人もいた。

Q:緑陰道路について人の集まる場所になったということは良いことだが、川ということ、その良さを隠してしまったのでは?
A:大野川は43号線建設により川をせき止めたことが原因で悪水がたまることになった。そこで埋め立てられたのであるが、公害患者がえがいた再生マップには緑陰道路に水を流したいという計画があったが患者さんたちの願いは叶わなかった。

Q:西淀川の汚染が下がったのは、阪神の震災により、大阪-神戸の物流が減ったことも原因か?工場の対策が進んだからか?
A:経済の落ち込みによる環境改善は確かにある。しかし公害裁判の成果としてつくられた自動車NOx・PM法のおかげで車の規制が行われ、現在はNO2の現在基準の上限基準値を下回った。
この日の最後に懇親会が行われました。

会話も弾み、皆さんとても打ち解けていました。
会話も弾み、皆さんとても打ち解けていました。

2日目に続きます。(村山)

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西淀川公害フィールドワーク用の地図作りのWS(11/11)

少し前の話となりますが、西淀川公害フィールドワーク用の地図作りWSを行いました。

西淀川・公害と環境資料館で受け入れているフィールドワークで使用している地図は2004年に日本市民スポーツ連盟・大阪府歩け歩け協会・あおぞら財団が協力して作成したウォーキングマップがあります。ですが、10年以上がたち、新しく地図の更新が必要となりました。以前基地局をしてくれたコンビニエンスストアの閉店や、あおぞら苑などの新しい訪問策も増え、講師の先生を迎えて地図作りのワークショップを開きました。

2015年11月11日(水) 10:30~
講師:嵯峨創平氏(岐阜県立森林文化アカデミー教授)

阪神出来島駅に集合をし、講師の嵯峨先生と参加者で、フィールドワークの時に利用するコースの確認をしていきました。

出来島駅から国道43号線にある出来島大気汚染測定所へと行きます。その過程にある、地盤沈下をしたため海抜何メートルにあるかといった確認をしたりもしました。また43号線で普段研修を受け入れた時に行っている国が行った対策についても説明を受けました。

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43号線手前で海抜のチェックをする参加者たち。
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大気汚染の測定所の説明をフィールドワークの時のようにしてもらっています。
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国の道路対策やPM2.5の説明をいつも通りしてもらっています。

その後、千北診療所やあおぞら苑へも訪れました。どちらも研修で必ず見に行く場所となっています。千北診療所に関しては地図に場所が書かれていますが、あおぞら苑はまだ地図に書かれておらず、現在地図を見て説明を行うのにとても不便な場所になっています。

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普段寄る千北診療所の位置を地図で確認する嵯峨氏と参加者たち。
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現在は記載されていないあおぞら苑についても、あおぞら財団の林さんから説明がありました。
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本日は地図作りなので中には入らず、説明が行われています。

その後、大阪マスジドにも訪れました。近年西淀川にはムスリムの方も増えた傾向もあり、またあおぞら財団では一度交流を持った事から大阪のマスジドを訪問する機会も増えてきています。そのため、普段寄るマスジドへも参加者と講師で直接見に行きました。
メラード西淀川の隣を通りながら、大野川緑陰道路へと入ります。中島大水道の石碑や、歌島橋についてフィールドワークの様子を交えながら説明を行いました。

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メラード西淀川を通り過ぎた所から緑陰道路へと入りました。現在地の確認をしています。
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緑陰道路を見渡す講師の嵯峨氏(写真一番左)と参加者のみなさん。
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中島大水道の石碑も確認しに行きました。

その後、午後からは講師である嵯峨さんを中心に意見を出し合うワークショップを行いました。

キーワードとして
・語り部
・場所の記憶
・人と自然のふれあいMAP
・大田区の工場街づくり
・古民家めぐり手帖
・地域のビジネス生態系
・農村企業のピラミッド
・地域創成のサーキットモデル
と言ったキーワードを中心に、参加者との話し合いが行われました。

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現在フィールドワークで使われている地図を広げて、ワークショップが始まりました。

嵯峨さんが持ってきてくれた数冊のマップを見ながら、参加者でどう思ったり感じたことを言い合いながらのワークショップとなりました。

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こちらが他の地域のマップの一部となっております。とてもオシャレでした。

想像しなかったような街づくりマップや自然マップなどを参加者で見つつ、「どれ」を見たら「何」が分かるかなどを考えつつ話し合いが進みました。
参加者からは公害が終わった地域で「終わったことを学びたい」と思われているということは、現在に興味を持ってもらえていなということになる。それはどうなのか、また現在についてどう思っているのか、またどうして表面的に終わらせようとするのかといった意見も出てきました。

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いろいろな地域の地図を見ながら出た意見をまとめている嵯峨氏(写真左手)
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みんなで意見を出しあっています。

ワークショップの最後には、大野川緑陰道路を見て「水」が基底になっているからこそ、水が大切なのではないだろうか。また、43号線は現代の象徴でもあるし、必要悪でもある。その必要悪に対し、どのような対策を行っていくのか。また、尼崎などの工場とのつながりが西淀川公害との関係性があったからこそ、細かい視点が必要なのではないかといった意見も出てきました。

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出されたキーワードを元に地図作りについての話し合いが進んでいます。

まだまだ地図作りワークショップには時間が足りませんでしたが、とても参加者にとっても有意義な時間となったと思います。
こういった意見を元に、今後もワークショップに使用する地図をどのようにしていくかといった話し合いが必要になってくるな、と思いました。
だれか見るか、どのように使うか、いろいろな視点を踏まえた上で作ることは簡単なことではなく、今後どうするかという課題が多く見えた一日となりました。

この事業は地球環境基金助成金事業として行いました。

(松ヶ平)

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第54回 IATSSフォーラム研修 3日目(10/21)

3日目はあおぞら財団でグループワークを行いました。

まず、3グループに分かれると、「経済活動と環境保全を両立させた持続可能な地域づくりはどのような取り組みを行うべきか」と言う質問に対して、意見交換や提案作りを行います。

参加者の皆さんは思う事も多かったようでどこの班も、盛んに意見交換が行われていました。A4用紙やポストイットに色々なことを書きこんでいる姿がうかがえました。班内での発表の時間になると班の中で質疑応答があったりと、どの班も熱心に話し合いをしていました。

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ペンの音だけしか聞こえません。
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A4用紙も次々と文字で埋まっていきます。
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いろいろ感じたり考えたことがたくさんあったんだと思います。

一度昼食を挟むと、次は班ごとで午後に行う発表会についての準備が行われます。

発表は
①班を一つの国と想定した上で、その国でどのような政策をおこなうべきか。
②西淀川で学んだこと。
この2点についておこなうため、それを想定した話し合いが行われました。

IATSSフォーラムではカンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナムの9カ国から、各国2名ずつが参加しています。
国の情勢や体制から全く異なる国々の方が参加をしているため、各班いろいろな意見の出し合いでした。ですが、どの班からも自分の国や今回西淀川で思ったことを踏まえた上で、話し合いをしているのがとても感じられました。

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発表の準備に取りかかりだします。
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文字に起こす人、話し合いを進める人、意見を出す人と役割が分担されています。
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最後の発表の準備が行われています。張る所がなくてガラスにも。

発表の時には、西淀川公害患者会の会長森脇君雄さんやあおぞら財団の職員がいる中でおこなわれました。

1班目
①班を一つの国と想定した上で、その国でどのような政策を行うべきか。
国名『エバーグリーン』
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持続可能なコミュニティ作りとして、環境・社会・経済の主な政策をあげた。
環境政策の主としたものでは都市計画がある。住宅と産業地域を分けておくことや、公園の配置について。また交通管理、公害を防ぐ対策も出てきた。
社会政策の中心としては健康保険の促進や社会保障の提供。参加者の国ではまだまだ健康保険などが進んでいない部分があるのが理由だと思われる。
経済政策には企業に対しての社会的責任、また免税だけではなく、どのような生き方や生活の仕方をしていくかと言っていた。
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②西淀川から学んだこと。
西淀川の住工混在地域を見た上で都市計画の必要性と、また過去に起こったことをきちんと伝えていく必要性がある。また、過去の経験を伝えて予防的な措置を取る必要が一番大切ではないか。事前の予防が一番大切だ。

2班目
①班を一つの国と想定した上で、その国でどのような政策をおこなうべきか。
国名『Green Empire』
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大気汚染対策をするにあたっての政策について発表が行われた。大気汚染政策を行うに当たって政府・NPO・NGO・市民・企業の立場の協力が必要になる。また、ステークホルダーの存在と協力が必要となってくる。
政府としては政策と規制を行い、法律のモニタリングなどを行い、インフラの整備などに資金を出すなどがある。NGOは政府の行うことを国民に知らせ、NPOが利害関係者をつないで協力させることが出来る。民間企業では情報の開示を行いながら、対話をして協力をしていく必要がある。市民は地域の支援を行い、環境に優しくする気持ちを家庭内から持つ。また情報や経験などをフィードバックするなどがある。
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②西淀川で学んだこと。
コミュニティや企業との関係を築いていく大切さ。また裁判で証拠をどのようにして証明するかがとても難しいことが分かった。また公害患者さんが多くのものを失ってきた事を知った。

3班目
①班を一つの国と想定した上で、その国でどのような政策をおこなうべきか。
国名『VERDE』
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この班は「②西淀川で学んだこと。」を学んだ上で、政策の発表をしてくれた。
②西淀川で学んだこととしては、地域と政府をつなげ、意識を高めていく心が必要。また公害裁判の時のように負けない心を持ち続けることが大切である。それは教育の場でも必要となってくる。
政策には各自が見なければいけないような状態ではなく、みんなが見れるように大気汚染の情報を報告する。また、何時悪いのかが分かった時には、フィードバックフォームを作成し、そこに記入してもらうようにする。またイベントごとにみんなで何かおこなって団結をするようにカレンダーを作成する。年配の方とコミュニケーションをとる日を作成し、その年配の方々と昔について考える日をつくる。これらのことをすることによって、意識は上がり、皆で協力するようになると思う。また一つ一つの事柄の必要性を考えることで深い考え方が出来る。

最後に「何故教育に関心を持ったのか」と聞いている人から質問が出ました。その問いに対し、
「若い世代が環境に対してどう思っているのか知りたかった部分があるし、興味を持っていた。私たちの国々の場合は環境に対する意識が低い。それをあげるには教育が必要だと思う。」と答えていました。

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一緒に発表を聞いていた森脇さんからは質問がありました。
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最後に参加者の方から感謝の言葉を頂きました!

最後には森脇さんを中心にみんなで記念撮影を行いました。

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みんなで記念撮影。とても勉強になった3日間でした。

とてもハードなスケジュールとなった3日間ですが、みなさんはとても真剣な様子で、またたくさんの質疑応答がありました。この3日間で考えたこと、見たことが少しでも心に残ってくれたら嬉しいなと思いました。また、こうした海外からの研修の方を受け入れる度にアジアの国の現状や、いろんな文化を持つ人と交流が出来、とても充実した3日間となりました。国外の問題にも目を向ける大切さを再確認しました。

3日間の予定です。そこからリンクで他の日も見に行けますので、ぜひ見てみてくださいね。
・1日目 裁判のお話や患者さんのお話を聞き、タンデム自転車で散策。
・2日目 43号線で説明を受け、あおぞら苑や大阪ガスへ。
・3日目 グループワークを行い、意見交換や提案作りをした上で発表へ。
(松ヶ平)

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第54回 IATSSフォーラム研修 2日目(10/20)

IATSSフォーラム2日目は朝からフィールドワークを中心に行いました。

43号線から尼崎の方へ抜け、尼崎の工場地帯や湾岸線を見てもらいました。また、中島や西淀川にある、尼崎とは少し違う工場も見て回りました。この日も43号線は混雑しており、大気汚染の原因にもなるとあおぞら財団の林さんから説明がありました。参加者の方々は食い入るように外を眺め、他の参加者と話し合う姿も見られます。

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出来島小学校前で説明を聞いてる参加者の皆さん。
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真剣な様子で記録を取っている姿がうかがえます。

43号線の出来島小学校の近くへおろしてもらうと、国土交通省地方整備局大阪国道事務所の方から、国の行った対策について説明が行われました。参加者の皆さんは必死にメモを取って、質問をしている姿が目立ちました。また、43号線で行われている対策を説明されると写真に収めている人が多かったようです。

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大阪国道事務所の方から説明を受けています。
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質疑応答にも多くの質問が出ていました。

お昼には大和田にあるハラールレストランで昼食でした。ムスリムの方もいたので、とても喜んでいました。

午後からはあおぞら苑の見学を行いました。
あおぞら苑で説明を受けていると、利用者の方から「他の国では介護はどういう状態なのか教えて欲しい!知りたい!」と質問が出ました。参加者のみなさんも積極的な様子に驚きが隠せていませんでした。

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あおぞら苑の方はみなさんに興味津津でした!

バスの中ではあおぞら苑の辰巳致さんと質疑応答の時間をとりました。

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あおぞら苑の辰巳致さん。

Q:何故、あおぞら苑を作ったのか。
A:月に3回、公害患者さんが看取られずに亡くなっていたことがきっかけ。現在は、利用者が全員で100名おり、公害患者は5%ぐらい。また公害患者さんは若い人が多いから少ないが、これから増えるだろうと思う。

Q:辰巳さんは西淀川生まれか。
A:西淀川生まれ。住めば都だと思っているし、西淀川のことが大好き。お金のある人は空気が悪い時に引っ越している。

Q:あおぞら苑を今後、どのような方向へと持っていきたいのか。
A:新しい施設を作りたいと思っている。保育所をやっている所と連携をし、子どもとお年寄りが一緒に過ごせるような施設を作りたい。

介護についてはまだまだ政策が整っていないからこそ、参加者の皆さんは真剣な表情で質問をしていました。

2日目の最後は、大阪ガスのHU+Gミュージアムの見学と説明を行われました。
大阪ガスは西淀川公害裁判の時の被告企業の一つでもあり、大阪ガスが現在どのような対策を行っているかといった説明を受けました。

まずは、HU+Gミュージアムの中を案内してもらいました。キッチンやリビングなど体験コーナーが多く、皆さん楽しそうに実際に体験を行っていました。特に、今までのリビングと、大阪ガスのリフォームしたリビングではどう体感温度が違うか実体験できるコーナーはとても人気がありました。

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大阪ガスのガスミュージアムの展示を見学中。
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説明に対し、みなさんすごく関心があるようです。
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展示の一部にあるこたつに大喜びでピースしてくれました。

案内が終わると、大阪ガスのCSR・環境部の宮里潤さんから説明が行われました。大阪ガスのガス事業の開始から近年の都市ガスにいたるまでの歴史や、現在大阪で行われているESDやCSRについて話してもらいました。また、バイオガスや風力発電といった取り組みも行っており、みなさんからは多くの質問が出て、とても盛り上がった時間となりました。

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大阪ガスにて説明をしてくださった宮里潤さん。
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大阪ガスミュージアムの一室にて説明を受ける参加者の皆さん。
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最後にみんなで記念撮影をしました。

朝の早い時間帯からフィールドワークでしたが、皆さん最後まですごく真剣な様子でメモを取ったり、写真を撮ったりしていました。疲れたかな、と思いきや、また夜に大阪城を見に行きたいと言っている姿を見て、本当にすごく元気でとても驚きました。

いろいろ思ったり感じたことを、最終日である21日に聞けたらなと思いました。

3日間の予定です。そこからリンクで他の日も見に行けますので、ぜひ見てみてくださいね。
・1日目 裁判のお話や患者さんのお話を聞き、タンデム自転車で散策。
・2日目 43号線で説明を受け、あおぞら苑や大阪ガスへ。
・3日目 グループワークを行い、意見交換や提案作りをした上で発表へ。

(松ヶ平)

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第54回 IATSSフォーラム研修 1日目(10/19)

IATSSフォーラムの研修で、ASEAN9ヶ国から18名の研修生を受け入れました。

1日目のプログラムの最初は「西淀川公害・地域再生の概要」であおぞら財団の林さんが講義を担当しました。
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あおぞら財団が設立された経過の紹介と現在取り組んでいる活動が報告されました。
住民と行政との関係性を大切にしながら、
1.環境の観点から自転車に着目した街づくりを推進しタンデム自転車の活動推進の事業
2.大気汚染公害の事実を伝える資料館の事業
3.学校教育との連携の事業
4.フィールドワークの積極的な推進で韓国や中国のNPOとの協力関係の紹介
5.患者さんの呼吸リハビリ促進の事業などに力を注いでいることが話されました。

次の講義は村松昭夫弁護士(あおぞら財団理事長)による「日本の公害訴訟―大気汚染公害訴訟を中心に」の講義で、
1.日本の公害・環境破壊の発生とその歴史
2.公害被害者が裁判を起こした理由
3.公害環境訴訟と賠償理論の前進
4.21世紀に向けた解決すべき公害・環境の課題等が話されました。

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講義の冒頭で、直近のNHKが放送したアンコールワットとミャンマーのバカン地域の発掘の活動を通じ、多様な文化や宗教の違いを乗り越えて発展させた東南アジアの歴史的な偉業は現代のEUの活動に匹敵する大きな活動であるとの感想が印象的でした。
今日の研修生の母国である方もいる放送の話だからです。

講義のあと「訴訟の最中に身の危険はありませんでしたか」や「裁判の後、大阪の経済はどのような変化がありましたか」などの質問がありましたが、「日本の法律と環境の中では身の危険はありません」「投資が他の地域に流れるようなことはありませんでした。むしろ、きちんと公害対策を行い、新しい技術を開発したところは日本の自動車産業が示しているように世界でも抜きん出た企業として発展しています」との回答がありました。

公害患者からのお話では、西淀川公害患者会の永野千代子さんから、
ご自身のお子さんが重度の喘息を発症し、西淀川公害裁判の一次原告となったことや、交通事故で死亡してしまったこと。永野さん自信も公害患者と認定され、原告を引き継いで闘いを続けた報告がされました。現在も週に5日も病院通いが欠かせない話もありました。
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昼食をはさんで、緑陰道路の観察歩行とタンデム自転車の緑道走行とがありました。
観察歩行では、「緑陰道路サロン」の天野さんから
1.緑陰道路がどのように活用されているか
2.四百年以上前、農民が自分達で資金と労働を提供して開削した歴史が紹介され
3.公害の酷い時代に空港までの高速道路の計画を住民が立ち上がって変更させ緑道にしていった経過や
4.緑道の下には大放水路が完成し集中豪雨にも対応できる現状が紹介されました。
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タンデム自転車は、あおぞら財団の鎗山さんが先導し福漁港の近くまで走行を経験しました。

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参加者は晴天の下で自転車を大いに楽しみ、公害発生源の合同製鉄所の話や、淀川の水面よりかなり下になっている住宅を見ることができ、防災の重要さの説明を受けました。

財団へ帰ってから三つのグループに別れ、今日のまとめを行いました。今日の経験を踏まえ、参加者の各国での公害や環境問題の現状と市民の関わり方が発表されました。
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Aグループ
・環境の問題はきちんとしたプランと市民との合意が重要
・人々の意識を高めることが大切で、署名運動などは大切であり、市民が自ら立ち上がっての裁判は重要
・予算も支援も大切である
自国の問題として
・廃棄物の処理や天然資源の減少に直面している
・シンガポールではマレーシアなど外国からの大気汚染がある
・環境に対する法律や基準が必要である
・ベトナムでは「環境警察」のシステムがある
・教育カリキュラムが重要、職場でも環境問題の共有を図っていきたい

Bグループ
・環境とコミュニティと社会のバランスが大切
・子ども達の将来を考えるとき環境問題はとても重要
・市民は政府の対策を待つのではなく、時には自ら立ち上がることも重要だ
自国の問題として
・自国には土壌汚染としてカドミウムの汚染問題がある
・ミャンマーやタイでは騒音の公害がある
・不法な森林伐採がある
・モリタリング評価を第三者機関でやりたい

Cグループ
・今日は協力、弾力性、都市の開発と青空、環境の活動とESDの大切さを学んだ
自国の問題として
・騒音、廃棄物の汚染、紫外線の照射、大気の汚染などがある
・人間の健康だけでなく、農産物に関しても影響が出ている
・人々の意識を変え、規則を作る
・自然災害に対する対策が急がれる

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最後にあおぞら財団の藤江事務局長は「今日参加の皆さんが、各国の大統領になれば公害は無くなると思う。西淀川はいろんな人々との共同に苦労しました。この地域は公害のデパートだったが、被害者の声を大切にして困難と向き合い、これが財団の活動の原点だった。この3日間の経験で深めてください。」とまとめられました。

3日間の予定です。そこからリンクで他の日も見に行けますので、ぜひ見てみてくださいね。
・1日目 裁判のお話や患者さんのお話を聞き、タンデム自転車で散策。
・2日目 43号線で説明を受け、あおぞら苑や大阪ガスへ。
・3日目 グループワークを行い、意見交換や提案作りをした上で発表へ。

(天野)

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環境省職員 現地研修受入 2日目(10/9)

環境省職員現地研修二日目は、朝から西淀川のフィールドワークを中心に行いました。
(一日目のブログはコチラから見れます)

バスで西淀川や尼崎の工業地帯の見学から始まりました。

まず、43号線沿いの歩道にてどのような対策がとられているか、国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所の方から説明を受けます。
43号線ではいろいろな対策が取られており、積極的に質問をしている姿も見られました。
実際に防音壁のある場所と、防音壁のない場所に立って、どれほど違っているのか体験しました。そうすると、防音壁があるだけでよく聞こえるといったことがよく分かります。
ですが、PM2.5の対策が難しく国も色々と悩んでいるというようなことも言っていました。

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43号線沿いからフィールドワークがスタート。

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道路対策について説明中。

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プランターにも対策がされています。

再度バスに乗ると、実際に尼崎や西淀川の工業地帯を見てきました。
かなり近場にある工場や、工業地帯を見ると皆さん驚いた様子を浮かべながらもカメラで写真を撮っていました。
尼崎の方へと行きましたが、まだまだ輸送するのはトラックが多く、車線を分けていても大きなトラックの姿が目に付きます。
外島や外島保養院跡の碑、淀川堤防などの見学を行いました。

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バスの中から真剣に外の様子をうかがっています。

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淀川堤防沿いで林さんによる説明中。

その後、あおぞら苑にて昼食をとり、あおぞら苑の辰巳致さんから話を聞きました。
なぜあおぞら苑を建て、どのような想いを持っているのか熱く語ってくださいました。
あおぞら苑とあおぞら苑Ⅱに分かれて昔の西淀川についてヒアリングしてもらうと、最初は戸惑った様子を浮かべているけれど、1時間たつと皆さんとても楽しそうに話をしています。

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辰巳さん(真中)があおぞら苑の説明をしてくれています。

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あおぞら苑にてヒアリング中。

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みなさん楽しそうに話をされています。

名残惜しみながらあおぞら苑の皆さんと分かれると、ここからは徒歩で千北診療所や、大阪ハラールレストランや西淀川にあるモスクの近くへも寄りました。モスクの下にあるお店で珍しい飲み物を買っている方もいて、とても楽しんでいました。

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千北診療所にも立ち寄りました。

大野川緑陰道路を徒歩で移動しながら、以前どんな川だったのか、昔と現在の状態を説明しながらあおぞら財団へと戻ります。

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大野川緑陰道路が川の頃の写真を見てもらってます。

あおぞら財団に戻ると4班に分かれて、ワークショップを行いました。
実際に分かれてワークショップを始めると、皆さん意見をまとめたり、班の中で意見をすり合わせていくことに迷っていたりと酷く悩んでいる様子でした。

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4班に分かれてワークショップ中。

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悩みながらみなさん話し合っています。

発表はあおぞら財団の職員や患者会の上田さんなど皆さんの前で行います。
西淀川の良い所としては、
・思ったより、西淀川の空気が良かった。
・整備をされた町だった。
・年配の方が元気な姿を見ると、医療が充実しているからではないか。
・西淀川全体が新旧混合をしており、面白さがある。
・転入者が多い。
などがあげられました。

逆に悪い所として、
・においや騒音などの公害がまだまだある。
・地盤が低く、津波の心配がある。
・工場が多く、道路がとてもうるさい。
・車の事故や健康被害が心配である。
・隠れた患者さんの存在があること。
など、実際に西淀川を歩いてみたり、患者さんたちに触れ合ったからこその意見が多く出ました。

今後、自分たちに何が出来るか、といった問いに対して、
・現場に足を運ぶ大切さを知った。
・諦めない心を持つということが大切。
・被害者や違う立場の人の事を考え、また現場に触れる事の必要性がある。
・人の話を聞き、助け合っていくことが大事だと思う。
・元々の目的を思い出す必要性がある。

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最後に各班ごと発表をしました。

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いろいろな意見も出てきました。

多くの意見や感想があり、患者会の上田さんからも
「続けていく必要性を説いてくれたのはとても嬉しい。」と環境省の皆さんに話をされていました。

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最後に上田さんからもコメントをいただきました。

今、いろいろな問題があり、職員の皆さんも質疑応答の時に自分の今の状況を見て質問している方も何人もいました。
私も移動の時にいろいろな部署で働いている方とお話をする機会があり、いろいろなことを聞けた良い機会となりました。
こうした研修で、実際に思うことや考えることを話すことで、研修に来た皆さんにとっても、私たちにとっても、とても有意義な時間となりました。
研修の時に考えたことや思ったことを、少しでも今後に活かせたらいいなと思います。

(松ヶ平)

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環境省職員 現地研修受け入れ(10/8)

少し前の事になりますが、
10月8日~9日に、環境省職員の現地研修の受け入れをしました。
今回は12名の方が西淀川でのフィールドワークやエコミューズの見学などを2日にかけて行いました。


1日目はあおぞら財団で、林さんから西淀川公害やあおぞら財団の説明が行われました。

西淀川について説明をしている林さん。
西淀川やあおぞら財団について説明をしている林さん。

西淀川の歴史や公害についてふれ、地域再生プランやあおぞら財団の行っている活動など過去から現在にいたるまでの話をしました。その間、職員のみなさんは聞き入り、メモを取っている真剣な様子がうかがえました。


その後、西淀川公害裁判原告弁護団であり、CASA(地球環境市民会議)の理事でもある早川光俊弁護士から西淀川大気汚染公害裁判についての話をしていただきました。

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早川光俊弁護士。

西淀川の公害裁判が実際以下になぜ解決まで20年近くも時間がかかり、立証が難しかったのかを当時の体験談も交えて説明してくれました。普段はなかなか聞けない当時の話もあり、環境省のみなさんだけではなく、スタッフである私も聞き入ってしまいました。
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皆さんとても真剣に聞き入っていました。

その後の早川弁護士との質疑応答では、
Q:長引いていた裁判では、どのようにしてモチベーションの維持をしていましたか?
A:実際に患者さん、特に子どもや年配の方を見に行ってくることです。現場で被害者の方を見てくると、「被害者の方がいるから、自分たち(弁護士)がいる。」という感情がわいてくるからです。
Q:西淀川裁判では原告が726名とかなり多かったですが、どのようにして原告を集めたのでしょうか?
A:患者会の影響がとても強かったため、原告になってくれた患者さんが多かったのです。
Q:公害認定患者さんに対し、未認定患者さんもおられます。なぜ未認定の方も多いのでしょうか?
A:未認定患者さんがなぜ多いかというと、「結婚や就職が出来なくなる。」「地元で知られたくない。」など、色々な理由がありました。当時は誹謗中傷が酷かったために、辞退した方が多かったのです。


公害患者さんの岡崎久女さん、池永末子さん、上田敏幸さんから話をしてもらいました。
公害反対運動の話や、環境省との関係についての話の中心となりました。岡崎さんは認定患者さん、池永さんは未認定患者さん、上田さんは息子さんがぜん息で現在患者会の事務局長という立場からの話も聞かせてくれました。
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左から、林さん、上田さん、池永さん、岡崎さん。
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質疑応答もたくさん質問が出ていました。

質問では、生協の方との連携があったとの話に対し、
Q:なぜ当時生協に入っているお母さん方に着目をしていたのですか?
A:食と健康に関心を持っているお母さん方が生協には多く、生協に入っているお母さん方も公害に対してはとても関心も持ってくれていました。だから、署名を求め、結果100万人中30万人ぐらいは生協のお母さん方だと思います。
Q:裁判がよく分からないのですが、みなさんは当時どうでしたか?
A:何度も会議を開き、個人の意見の集約や思いについて、納得をするまで学び、話し合いました。ですが、立証するのは弁護士であり、法律が変わっても病気は治りません。「当たり前」が壊されたこと。それがとても腹が立ちました。ですが、うらみがあるわけではないです。うらみがあると和解が出来ませんから。


患者会の会長でもある、森脇君雄さんからも裁判当時の裏話から環境省との今までの関わり方などいろいろな話をしてもらいました。森脇さんは環境省とも関わりが長く、いろいろな話が聞け、環境省職員の方にもとても面白く話を聞いてくれている印象がありました。実際どのような活動をしていたかといって話から、裁判当時の話が多かったです。また、なぜまちづくり進めたのかといった話も出ました。

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森脇さんからのお話もとても盛り上がっていました。

森脇さんは、「地域で生きるためには考えなければいけない。旧コミュニティとのあつれきもあり、また、新しい人が増えているからこそ、まちづくりのことを進めている。」とも話をしてくれました。


最後にグループに分かれて、一日目の振り返りを行いました。
グループごとで今日のキーワードを決め、全員でキーワードの共有をおこないました。
「現場の声、それを伝えていくことの大切さ」
「現場の声が法にかかってくる。また、あおぞら財団の運営状態について」
「仕事の本質が見えるきっかけになった」
「現場の生の声、高齢化と後輩の育成」
など、いろいろなキーワードが出てきました。

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皆さん、いろいろな話をして振り返りをしていました。



二日目は西淀川のフィールドワークが中心となった研修になりました。
二日目についてはコチラを見てみてくださいね。

(松ヶ平)
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