もりもとまきのアーキビストの目 No.24

「全国公害患者の会連合会」の結成
-全国の仲間と一丸になって-

紹介資料:全国公害患者の会連合会代議員証(西淀川公害患者と家族の会資料、No.4375)

 1981(昭和56)年5月17日、「全国公害患者の会連合会」(以下「連合会」)の結成大会が、大阪市立西九条小学校で開かれました。西淀川公害患者と家族の会からは代議員として12名が参加しました。今回紹介する資料は、その際の「代議員証」です(西淀川公害患者と家族の会資料、No.4375、約18cm×13cm)。

西淀川公害患者と家族の会No.4375

連合会の前身は、1973(昭和48)年11月23日に発足した「全国公害患者の会連絡会」(以下「連絡会」)です。連絡会は、同年10月に成立し、翌年9月に実施されることになった「公害健康被害補償法」の政令の作成に対して、患者たちの要求を交渉・請願するために結成され、「公害健康被害補償法にもとづく政令制定にあたっての請願」を提出するなど(1973/12/10)、補償法の内容の改善に取り組みました。その後、財界による「まき返し」(公害指定地域の解除・窒素酸化物の環境基準緩和の要求)が活発化すると、それに反対する運動に奮闘しました。連絡会は、各地の公害患者相互の理解を深めながら、団結し、全国的な公害反対運動を展開したのです。

しかし、財界によるまき返しはますます強まり、連絡会は、反対運動をより一層推し進めるため、会を「全国公害患者の会連合会」に発展させました。連合会は、独自の財政と規約を持ち、全国の患者会代表による執行体制を整え、専従の事務局長を置くなど、組織の強化が図られました。連合会はその後より一層、公害反対・被害者救済の全国的運動の中心的役割を担っていきます。

結成大会のようすの写真、また、連合会結成の経緯についてのコラムが、西淀川公害患者と家族の会創立40周年記念写真集『公害と闘い環境再生の夢を』14頁に掲載されています。ネット上でも閲覧できます(コチラ)。併せてご覧ください。

(エコミューズ資料整理スタッフ 森本)

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