環境省職員研修2日目 西淀川のフィールドワークと提案づくり(2/27)

環境省職員研修、2日目は西淀川のフィールドワークです。(1日目の様子はコチラ
本日の参加者10人と西淀川をめぐります。
公害の被害といった面だけではなく、緑地や農村時代の歴史といった様々な面からの西淀川を見て回るコースです。自転車チームもつくり『矢倉海岸まで行き自然を体験!』という計画もあったのですが、この日は残念ながら雨の為、皆で歩きました。

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まずは、歌島橋交差点で、国交省の沿道対策等を紹介。

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次は大野川緑陰道路。埋め立て前の写真を見ながらできた経緯や現在の使われ方を学びます。

低地の西淀川。津波避難ビルの小学校を前に南海トラフの地震による津波の想定を紹介。
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淀川開削前に流れていた中津川を渡るための『柏の渡し』の跡。水郷としての歴史を伝える石碑です。
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西淀川区が誇る登録有形文化財、池永邸へ。
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亭主の池永悦治さんにご案内頂きました。
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江戸時代は、舟で商業地の船場と行き来していたと語る池永さん。水郷だった頃の風景がよみがえります。私設の資料館の中も見学させて頂きました。
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都市近郊農地という西淀川のかつての話に、皆、熱心に耳を傾けていました。

午後は、デイサービス施設あおぞら苑へ。
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利用者さんの生い立ちや、西淀川の昔の話を教えてもらいました。
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公害で苦しんだ町に住み続けた人達の、癒せる場所をつくりたいという辰巳致代表の熱い言葉を受け、あおぞら苑を後にします。

千北診療所
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西淀川公害の患者運動がどのようにできたかの解説です。
公害がひどかった当時、24時間、患者さんが発作をおこしやってきたことも紹介されました。

西淀川には、西日本最大級のマスジド(イスラム寺院)があります。その周辺には、イスラム教徒でも食べられる肉を扱う(お祈りをしてある等)ハラールレストランやミートショップ等ができており、意外で新しい!?西淀川の名所になりつつあります。
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寺院に併設した商店を見学。香辛料や、スパーシーそうなヌードルをお土産に買う参加者も。

そして、あおぞら財団に戻り、研修でわかったことを踏まえそれぞれが、どんなことができるのかを考えました。
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1つ目のグループのから出た感想と対策です。
■まちに対して
・空気も町もきれい。緑も多い。
・路上のゴミの少なさは、西淀川全体の人が地域貢献という形で行動している証あのでは。
・旧家が残っていることや、農業、漁業がかつてこの地にあったことに驚き。
・生物が住め、遊べたりする草むらがない。空地ができてもすぐ駐車場や建物になっている。
・住宅が密集しているのに、国道沿いは交通量が多い。車対策は先進的だが試行的なのではなか。
・行政と、被害者、今の世代、それぞれの温度差はあるのか。
□対策
・ロードプライシングをする。
・地域毎の対策を整理し共有する。

■人に対して
・未来に向け、今まで想定していない新たな公害による患者をつくらないためにはどうしたら良いのか。どんな公害被害が出るかの想定は難しい。科学的に可能なのか。
・患者さんが明るく元気で驚いた。
□対策
・患者と行政担当者がまじわる機会をつくるため、行政担当者が直接住む。
・西淀川の患者さんは、提案が採用され実現されたということで、やる気につながっていたのではないか。まちづくりの住民提案を採用するというサイクルをつくることが大切。
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などが紹介されました。
ちなみにこのグループでは、模造紙の縦軸…上を「建物」、下を「人」、横軸…左をマイナス面、右をプラス面、意見・感想を「青」のポストイット、それに対する対策を「赤」として課題と解決法を整理していました。さすがですね。

2つめの班の発表では、
・患者さんはみな元気、団結力がある、生きがいをもってやっている。陽気。
・住宅が多い。
・市民のまちづくりや環境への関心が高いように感じた。
・住宅地と工場地帯が近い場所にある。
・特に道路近くは、排気ガスのにおいを感じた。
等の感想が紹介されました。

・自治体ごとに規制が違うが、規制が厳しくなるとそのまちに企業等が入らなくなり税収に影響が出る。
・「いきものみっけ」の公害版をつくり汚れた場所を皆で共有することで解決を考える。
・先に対策した方が、被害も出ず、将来的には利益になる。
・貴重な御屋敷を持つ野里の池永さんには、ぜひ頑張って欲しい。
等の意見が紹介されました。

この受入の参加者それぞれが、狙いをもって望んでくれていたことが印象的でした。
アスベスト公害の被害の補償を担当しているが電話でしかやりとりがないので、被害者の気持ちにたって対応するためにも実際にまちを見て人にふれてみたかった―という若手職員、
数十年前、大気の調査で西淀川をまわったという、ベテランの方。

現場の今を知ることで、今後ぜひ業務をすすめる上での糧にしてもらえればと願っています。

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(小平)

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