中国環境NGO・研修プログラム(12/4-7)

あおぞら財団では、日本の公害経験を発信し、情報交換することによって、中国やアジアの環境問題の解決をめざして、中国の環境NGOとの交流活動を続けています。今年度は12/4~8の期間に李力さんはじめ、3名のメンバーが来日しました。

今回は、富山県で開催された「第二回 公害資料館連携フォーラムin富山」に参加いただき、イタイイタイ病の歴史や対策を知っていただくとともに、日本各地の公害問題の現状について知っていただく機会となりました。

中国メンバー=

李 力:Li Li  研究員(北京市朝阳区环友科学技术研究中心)

路 敏:Lu Min 秘書長(天津経済技術開発区環境保護協会)

程 旺:Cheng Wang 職員(北京都市の声文化芸術センター)

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12/5(金)は、午前中に、富山県立イタイイタイ病資料館を見学し、午後からフォーラムに合わせて開催された現地フィールドワークに参加しました。

同資料館は、『子どもたちをはじめ国内外の幅広い年代の人々が「イタイイタイ病の恐ろしさ」を知り、「克服の歴史」を学ぶとともに、 県民一人ひとりが「環境と健康を大切にするライフスタイルの確立や地域づくり」に取り組むことをめざす未来指向型の資料館』として、平成24年に開館しました。

中国語の音声ガイドも設置され、模型やビデオ、イラストなどによる解説も充実しており、中国の方にも「公害の原因、流域に被害が集中していること、対策のことなど、よく理解できた」と好評でした。

現地フィールドワークでは、中国でも水質汚染・土壌汚染による被害が起きている場所が各地にあるそうで、どのような対策を行っているのか?興味を持って見ておられました。

資料館入口ホールにて、航空写真上で被害地域についての解説を聴く
資料館入口ホールにて、航空写真上で被害地域についての解説を聴く
汚染農地の土壌復元工事完了の記念碑前にて。
土壌復元の現場を見学後、記念碑前にて。

清流会館に掲げられた裁判判決文(1971.6.30)を見る

フィールドワーク参加者同士の感想共有を行いました。
フィールドワーク参加者同士の感想共有(通訳付)。日本の大学生に対して「なぜ?イタイイタイ病を勉強するの」

12/6(土)は、午前中は、青島医師からイタイイタイ病に関する医師の取り組みについてお話を伺い、午後からフォーラム・分科会3アウトリーチ(地域の資源を活かした学びの場の展開)に参加しました。

李力氏は、「中国でも公害による健康被害が発生しており、公害患者さんを診てきた経験のある日本の医師にも改善に向けて協力してほしい」と仰っていました。

青島医師と歴代の院長先生の写真とともに。
萩野病院にて青島医師とともに。

12/7(日)は、これからの公害資料館連携について議論するワークショップに参加し、「中国からもHPなどにアクセスできるようにしてほしい」、「将来、中国にも公害資料館をつくりたい」といった意見が出されました。日中間で互いの事情は異なりますが、日本全国から公害・環境問題に関わる方々と、公害に関する現状と課題についての意見交換の場となりました。

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雪景色のイタイイタイ病資料館
雪景色のイタイイタイ病資料館

この後、富山の雪景色も楽しみつつ、盛り沢山の研修プログラムを終えて、一行は、大阪へと向かいました。

研修プログラムの続きは、こちら↓

中国環境NGO・研修プログラム(12/8)

記・藤江(あおぞら財団スタッフ)

※本事業は環境省委託 平成26年度大気汚染経験等情報発信業務の一環です。

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