西淀川公害フィールドワーク用の地図作りのWS(11/11)

少し前の話となりますが、西淀川公害フィールドワーク用の地図作りWSを行いました。

西淀川・公害と環境資料館で受け入れているフィールドワークで使用している地図は2004年に日本市民スポーツ連盟・大阪府歩け歩け協会・あおぞら財団が協力して作成したウォーキングマップがあります。ですが、10年以上がたち、新しく地図の更新が必要となりました。以前基地局をしてくれたコンビニエンスストアの閉店や、あおぞら苑などの新しい訪問策も増え、講師の先生を迎えて地図作りのワークショップを開きました。

2015年11月11日(水) 10:30~
講師:嵯峨創平氏(岐阜県立森林文化アカデミー教授)

阪神出来島駅に集合をし、講師の嵯峨先生と参加者で、フィールドワークの時に利用するコースの確認をしていきました。

出来島駅から国道43号線にある出来島大気汚染測定所へと行きます。その過程にある、地盤沈下をしたため海抜何メートルにあるかといった確認をしたりもしました。また43号線で普段研修を受け入れた時に行っている国が行った対策についても説明を受けました。

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43号線手前で海抜のチェックをする参加者たち。
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大気汚染の測定所の説明をフィールドワークの時のようにしてもらっています。
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国の道路対策やPM2.5の説明をいつも通りしてもらっています。

その後、千北診療所やあおぞら苑へも訪れました。どちらも研修で必ず見に行く場所となっています。千北診療所に関しては地図に場所が書かれていますが、あおぞら苑はまだ地図に書かれておらず、現在地図を見て説明を行うのにとても不便な場所になっています。

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普段寄る千北診療所の位置を地図で確認する嵯峨氏と参加者たち。
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現在は記載されていないあおぞら苑についても、あおぞら財団の林さんから説明がありました。
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本日は地図作りなので中には入らず、説明が行われています。

その後、大阪マスジドにも訪れました。近年西淀川にはムスリムの方も増えた傾向もあり、またあおぞら財団では一度交流を持った事から大阪のマスジドを訪問する機会も増えてきています。そのため、普段寄るマスジドへも参加者と講師で直接見に行きました。
メラード西淀川の隣を通りながら、大野川緑陰道路へと入ります。中島大水道の石碑や、歌島橋についてフィールドワークの様子を交えながら説明を行いました。

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メラード西淀川を通り過ぎた所から緑陰道路へと入りました。現在地の確認をしています。
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緑陰道路を見渡す講師の嵯峨氏(写真一番左)と参加者のみなさん。
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中島大水道の石碑も確認しに行きました。

その後、午後からは講師である嵯峨さんを中心に意見を出し合うワークショップを行いました。

キーワードとして
・語り部
・場所の記憶
・人と自然のふれあいMAP
・大田区の工場街づくり
・古民家めぐり手帖
・地域のビジネス生態系
・農村企業のピラミッド
・地域創成のサーキットモデル
と言ったキーワードを中心に、参加者との話し合いが行われました。

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現在フィールドワークで使われている地図を広げて、ワークショップが始まりました。

嵯峨さんが持ってきてくれた数冊のマップを見ながら、参加者でどう思ったり感じたことを言い合いながらのワークショップとなりました。

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こちらが他の地域のマップの一部となっております。とてもオシャレでした。

想像しなかったような街づくりマップや自然マップなどを参加者で見つつ、「どれ」を見たら「何」が分かるかなどを考えつつ話し合いが進みました。
参加者からは公害が終わった地域で「終わったことを学びたい」と思われているということは、現在に興味を持ってもらえていなということになる。それはどうなのか、また現在についてどう思っているのか、またどうして表面的に終わらせようとするのかといった意見も出てきました。

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いろいろな地域の地図を見ながら出た意見をまとめている嵯峨氏(写真左手)
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みんなで意見を出しあっています。

ワークショップの最後には、大野川緑陰道路を見て「水」が基底になっているからこそ、水が大切なのではないだろうか。また、43号線は現代の象徴でもあるし、必要悪でもある。その必要悪に対し、どのような対策を行っていくのか。また、尼崎などの工場とのつながりが西淀川公害との関係性があったからこそ、細かい視点が必要なのではないかといった意見も出てきました。

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出されたキーワードを元に地図作りについての話し合いが進んでいます。

まだまだ地図作りワークショップには時間が足りませんでしたが、とても参加者にとっても有意義な時間となったと思います。
こういった意見を元に、今後もワークショップに使用する地図をどのようにしていくかといった話し合いが必要になってくるな、と思いました。
だれか見るか、どのように使うか、いろいろな視点を踏まえた上で作ることは簡単なことではなく、今後どうするかという課題が多く見えた一日となりました。

この事業は地球環境基金助成金事業として行いました。

(松ヶ平)

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